『露西亜人形殺人事件』 のアンフェア / 金田一少年の事件簿
ジツはこの 『露西亜人形殺人事件』 は、昔マガジンに連載されているタイミングで並行推理をしていたのだケド、この物語は、本格推理マンガとして ”描写的にアンフェアだ" といゆー結論になっていました。。。
どの部分がアンフェアかと言うと、この物語で非常に重要なポイントとなるマスターキー の部分で、、、
コレ、問題編の時点と解答編の時点では、"ワッカ部分" と "カギの長さ" の比率 が全く違っているのがお分かり頂けると思う。。
言うまでもなく、我々は "問題編の時点の描写" で推理して行くしかないワケだけど、問題編の描写では、ワッカの細い部分の長さ (赤線部分) よりキーの長さ (青線部分) の方が圧倒的に長くなっている。
で、ハジメの言う外し方をするためにキーを緑線の位置に持って行くためには、このワッカとキーを繋いでいる 『決して切れず決して伸びない紐』 が破線の長さ分なければ外せないワケだけど、コレも描写から判断する限り、ワッカの細い部分の周囲を回すだけでほぼ精一杯となる長さしか無いので絶対に不可能なのだ。
で、当時も、実際に上のような図で検証した上で 『この外し方は不可能 = つまり "ユヅキを殺したのはタカトー"』 という前提で推理を進めたモノです。。
ナゼそこまでこの "描写" にこだわったのかとゆーと、この物語ではもう一点 『雨に塗れて移動させたランプの傘の "模様"』 という非常に重要な "描写" があったからで、どちらも推理の上で重要なポイントとなる要素であるにも関わらず、一方はそのまま解答編に持ち越してもう一方は解答編で変化する・・・、というのは、やはりアンフェアとしか言いようがナイです。。。
ちなみに、それなら、コレはこれとして 『実はユヅキ殺害の犯人はタカトーだった』 という前提で "過去検向きの別の真相" も考えられそうな気もするのだけど、、、実はこの物語に関しては そうしたくナイ、という気持ちの方が大きかったりします。
この物語は、どちらかというと 『ハジメとタカトーが協力して犯人を炙り出す』 という非常に珍しい内容になっていて、その上でタカトーは 『ハジメが先に真相に辿り着けば犯人の命を助ける』 という約束を守り、しかもそれは 『犯人を殺すのを止める』 という意味に留まらず 『犯人が自殺するのを救う』 という結末に向かう辺り、そこにタカトーの犯罪者としての "誇り高い紳士ぶり" に一種の感動すら覚える名作になっているからです。
なのでこの物語は ”ミステリーとしてアンフェアである” というトコロでおいておきたいのです。
なお物語そのものは、特にタカトーファンにとっては素晴らしい名作になっていると思います。
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by mystery_DsD | 2012-05-01 23:31 | @ア・ラ・サーチ